慢性的な腰痛に悩んでいる方は、年齢問わず多く存在します。なかには、腰痛の原因がわからず、長年痛みと付き合っている方も多いでしょう。
その原因不明の腰痛は、精神的なストレスが関わっているかもしれません。本記事では、腰痛とストレスの関係について紹介します。
ほかにも、ストレスからくる腰痛の見分け方や改善方法についても解説しているので、腰痛に悩みをお持ちの方は、ぜひ参考にしてみてください。
慢性的な腰痛とはどのような状態を指す?
慢性的な腰痛は、腰の痛みが3ヶ月以上継続している状態を指します。原因や症状の程度は人によってさまざまで、高齢者だけでなく、若い世代にも見られるのが特徴です。
腰痛が長期化するのには、ぎっくり腰に代表される急性腰痛の炎症が治っても痛みが残って慢性化するケースと、痛みの発症と治りを繰り返すケースがあります。
しかし、このような腰痛は、病院で検査をしても詳しい原因を突き止められないことも珍しくありません。
ストレスが原因で腰痛になる理由

腰痛が起こるのは、腰の神経障害によるものや、内臓や脊椎の病気が原因として考えられています。しかし、腰痛の原因を特定できるケースは非常に少ないのが特徴です。
最近の研究では、そのような原因不明の腰痛にはストレス関わっている可能性が示唆されています。続いては、ストレスが原因で腰痛が起こるとされている理由について確認していきましょう。
身体化が起こっている

登校前や出勤前にストレスでお腹が痛くなったり、動悸が起こったりした経験のある方も多いでしょう。このように、精神的な影響によって身体に症状が現れる現象を身体化と呼びます。
慢性的な腰痛は、ストレスによって身体化が起きていることが原因であるかもしれません。身体化によって、筋肉の血流が減少することで老廃物が溜まりやすくなります。
老廃物が溜まることで痛みを感じる物質が発生し、その物質が腰の神経を刺激することが、身体化によって腰痛を発症するメカニズムです。しかし、身体化は無意識のうちに現れるため、原因の特定が難しいのが特徴です。
病院で検査しても異常が見つからない場合は、精神的なストレスが関与していないか疑ってみるとよいでしょう。
脳機能の不具合が起こっている

人間は痛みを感じる状況であっても、神経伝達物質であるドーパミンによって、ある程度痛みのコントロールが可能です。しかし、ストレスによって脳機能が不具合を起こすと、ドーパミンの分泌量が減り、痛みのコントロールが難しくなります。
痛みを抑制できなくなると、普段は気にならないような痛みも苦痛に感じるようになるでしょう。また、脳機能の不具合によって、痛みを感じやすくなることで、その痛みがさらなるストレスにつながります。
その結果、ドーパミンの分泌量が正常に戻らなくなり、慢性的な腰痛につながる可能性があります。
ストレスで姿勢が乱れている

ストレスを感じると体の筋肉がこわばり、緊張状態になります。筋肉の緊張状態が慢性化することで、姿勢の乱れを引き起こすため、注意が必要です。
姿勢が乱れると腰に負担がかかりやすくなり、重い物を持ち上げた瞬間などに急性腰痛を発症しやすくなります。特に、ストレスによって背中が丸まった姿勢になりがちな方は、腰にかかる負荷に注意しましょう。
ストレスからくる腰痛はどうやって見分ける?

ストレスからくる腰痛は、レントゲンやMRIなどの精密検査を行っても原因が判明しないのが特徴です。そのため、原因不明の腰痛はストレスによるものである可能性が考えられます。
ほかにも、慢性的に痛んだり安静にしていても痛みが続いたりする場合も、ストレスが原因の可能性があります。なかには、最近ストレスがかかっているという自覚のある方もいるかもしれません。
心因性の腰痛であるかどうかは、痛みの状態やストレスのかかり具合によって判断できます。腰痛にストレスが関わっていると感じる場合は、経験豊富な医師がいる整形外科や精神科に一度相談してみてください。
慢性的なストレスのサイン

慢性的なストレスを抱えている場合は、以下のようなサインが体に現れます。
なかなか寝付けない
過食や拒食傾向にある
些細なことでイライラする
漠然とした不安を感じる
物事に集中できない
常に動悸がする
上記のようなサインに心当たりのある場合は、慢性的なストレスを抱えている可能性があります。ストレスが大きくなると腰痛以外にも不具合が現れる可能性があるため、早めに専門家に相談して、適切な対策を取るようにしましょう。
心因性の腰痛を改善する方法

心因性の腰痛は、一般的な腰痛とは違ったアプローチでの対策が必要です。心因性の腰痛を改善する方法について確認していきましょう。
ストレスを解消する

心因性の腰痛であれば、自身が抱えているストレスを解消、もしくは軽減できれば痛みの改善は期待できます。ストレスの元になっている環境から抜け出すことができれば、現状は好転するでしょう。
ストレスの解消には、気分転換に旅行に出かけたり、ペットを飼い始めたりするのもおすすめです。ほかにも、規則正しい生活を行うことや、悩みや愚痴を誰かに聞いてもらうことも大切です。
ストレスがストレスを呼ぶ悪循環にならないためにも、なるべく精神的に負担のかからない生活を心がけましょう。
運動をする

腰痛が慢性化している場合は、過度に腰への負荷を避けるよりも適度な運動を行うことが大切です。運動を避けていると体の柔軟性がなくなり、痛みが悪化する可能性があります。
そのため、ウォーキングやジョギングなど、無理のない範囲で運動を取り入れるようにしましょう。また、運動をすることで気分転換にもなり、ストレスの軽減につながる場合もあります。
しかし、痛みがひどい場合は無理して運動を行わず、横になって安静にしておくことも大切です。
認知行動療法を行う

ストレスを軽減するには、認知行動療法を取り入れるのがおすすめです。認知行動療法は、思考や認知にフォーカスすることで精神面を安定させる精神療法の一種です。
治療法には、ストレスを抱いた瞬間の状況やそのときの行動を記録する思考記録法があり、その取り組みは自分自身でも行えます。認知行動療法によって考え方を改善できると、ストレスを溜めにくくなります。
そのため、精神的に落ち込みやすい性格だという方は、積極的に取り組んでみるとよいでしょう。
ストレッチやマッサージをする

ストレッチやマッサージをすることで全身の血流が良くなるため、腰痛を緩和する効果が期待できます。しかし、腰をねじるストレッチなど、動きによっては痛みが悪化する可能性もあります。
そのため、ストレッチやマッサージを行う際は、無理のない範囲で行うことと、痛みを感じたらすぐやめることをしっかり守るようにしましょう。
薬を服用する

痛みが引かない場合は、薬の服用も検討しましょう。ストレスからくる腰痛の場合は、一般的な痛み止め薬よりも、抗うつ薬や抗てんかん薬といった脳の機能を回復させられる薬の方が効果的です。
しかし、薬を服用することで軽い副作用を発症する場合もあります。そのため、服用の際は用法容量をしっかり守ることが大切です。
腰痛とストレスの関係についてのまとめ

今回は、腰痛とストレスの関係について紹介しました。ストレスを強く感じると、身体化によって腰の神経が刺激されたり、脳機能が不具合を起こして痛みをコントロールするドーパミンの分泌量が減ったりする危険性があります。
その結果、腰の痛みが慢性化して、なかなか症状が改善しないという悪循環に陥ります。そのため、心因性の腰痛を改善するには、ストレスの軽減が不可欠です。
心因性の腰痛に悩んでいる方は、日々の生活に運動や認知行動療法を取り入れてストレスを減らすところから始めてみましょう。