日本では秋から冬にかけて交通事故が増える傾向がありますが、特に12月は1年の中でも事故件数が多くなるといわれています。その背景には、日照時間が最も短くなることが大きく関係しています。
12月は夕方の明暗が入れ替わる「薄暮」の時間帯が、通勤・通学のラッシュと重なりやすく、周囲が見えにくい状況が増加します。薄暮は“魔の時間帯”とも呼ばれ、歩行者や自転車が背景と同化しやすく、ドライバーの見落としが起こりやすい環境になります。
さらに年末は帰省ラッシュや物流増加の影響で、幹線道路や高速道路の交通量が増えます。普段運転しない「サンデードライバー」が増えることもあり、操作ミスや判断の遅れによる事故も多発。また、年末特有の慌ただしさが焦りを生み、注意力が散漫になることも事故増加の要因です。
その結果、12月は首のケガである むちうち(外傷性頚部症候群) が非常に増える季節です。
むちうち(外傷性頚部症候群)とは?
むちうちとは、交通事故やスポーツ中の衝撃などにより、首に急激な外力が加わることで発生するケガで、医学的には「外傷性頚部症候群」「頚椎捻挫」と呼ばれます。
追突事故では頭が前後に大きく揺さぶられ、首が“鞭(むち)”のようにしなる動きをします。これにより、首の筋肉、靱帯、関節包、神経周囲の組織などが損傷し、痛みや可動域制限を引き起こします。
むちうちは受傷直後には症状が軽いことも多く、数時間〜数日経ってから痛みや不調が現れるケースが一般的です。また、画像検査では特徴的な所見が出にくく、自覚症状が中心となるのも特徴です。
むちうちが起こる主な原因
最も多いのはやはり 自動車の追突事故 です。特に後方から衝突された場合、首は一気に後ろへ反り返り、その反動で前に振られるという独特の動きが起こります。
その他にも、
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ラグビー・アメフトなどのコンタクトスポーツ
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スキー・スノーボードでの転倒
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身体的暴力による衝撃
なども原因になりえます。また、近年は以下のような“土台の弱さ”がある人はむちうちが悪化しやすいことも指摘されています。
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慢性的な肩こり
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首・肩の筋肉の緊張
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ストレートネック
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姿勢不良
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長時間のデスクワークによる筋疲労
軽い衝撃でも症状が強く出ることがあり、日頃の体の状態がむちうちを悪化させる一因となるのです。
むちうちの主な症状
むちうちでは首の痛みが最も多く見られますが、症状は非常に多彩で、人によって現れ方が異なります。
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首の痛み・こわばり
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肩こり
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頭痛
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めまい
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吐き気
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耳鳴り
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倦怠感
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腕のしびれ
受傷直後にはあまり症状がなくても、翌日になってから頭痛や肩こり、めまいなどが現れることも少なくありません。さらに、自律神経が乱れることで、
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集中力の低下
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不眠
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不安感
といった精神的な不調につながるケースもあります。外見上は軽症に見えても、長引くケースも多いため、自己判断で放置するのは危険です。早期に専門機関で診断を受け、必要に応じて整骨院での施術やリハビリを組み合わせることが大切です。
12月の運転はいつも以上に注意。むちうちは早めの相談を
12月は交通量・薄暮・年末の慌ただしさが重なることで、交通事故が増えやすい時期です。事故の衝撃は軽いものでも、むちうちは数日後に症状が出たり、長期化したりすることがあります。
少しでも首が重い、めまい・頭痛が出てきた、翌日になって痛みが強くなったなどの場合は放置せず、早めに専門家へ相談しましょう。12月はいつも以上に安全運転を心がけ、体と心のゆとりを保ちながら安全運転を心がけることが重要です。