交通事故で多い怪我とは?交通事故に遭った時にすべきこと

交通事故治療

車・自転車・バイク・歩行時に気をつけたいのが、「交通事故」です。

基本的に交通事故による治療は、「自賠責保険」が適用され、実質無料で受けることができます。

今回は、「交通事故で多い怪我と交通事故に遭った時にすべきこと」をご紹介します。

この記事を最後まで読めば、急に交通事故に遭っても落ち着いて対応できるはずです。

交通事故で多い怪我

事故直後は痛みを感じていない場合もありますが、時間が経過してから痛みが出てくることもあります。

​​今回は、交通事故の怪我で多い脊髄損傷・骨折・頭部外傷・むち打ちについて解説していきます。

脊髄損傷

脊髄とは、脳から背骨の中を通っている太い神経のようなものです。

交通事故により脊髄が損傷すると、手足が麻痺し、運動機能や感覚知覚機能が失われます。脊髄損傷は損傷の程度により、不完全損傷と完全損傷に分けられます。

不完全損傷は、脊髄の一部が損傷したものの一部機能が残存している状態です。一方、完全損傷は脊髄が完全に損傷され、損傷部以下の機能が完全に麻痺した状態を指します。

完全損傷になると損傷部以下の運動機能と感覚知覚機能は完全に失われ、「何も感じない、自分では動かせない」状態になります。

手足に違和感を感じた際は、すぐに整形外科を受診しましょう。

骨折

交通事故によって骨折しやすい部位は、骨盤と肋骨だと言われています。

骨盤は、強い衝撃を受けたり、車と衝突した場合に骨折しやすいです。上半身と下半身をつなぐ役割をしている骨盤を骨折すると、非常に強い痛みを伴いやすいです。

大量出血する場合があるため、骨盤に痛みを感じた際にはすぐに医療機関を受診しましょう。一方、肋骨は胸部に強い衝撃を受けた場合に骨折します。

肋骨の骨折は、呼吸時以外は痛みを感じにくいため、骨折していることに気づかないこともあるでしょう。肋骨骨折の治療は、胸部に巻く「バストバンド」を装着し安静にします。

頭部外傷

頭部外傷とは、交通事故などで頭部に強い衝撃が加わることで起こる、頭蓋骨・頭皮・脳の損傷です。

軽症の場合は治療する必要はありませんが、頭痛やめまいなどの違和感がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。

治療をせずに放置していると、手足の麻痺・てんかん・記憶力などが低下する高次脳機能障害・言語障害を生じるかもしれません。

頭部外傷が生じた場合は、専門の脳神経外科の受診をおすすめします。

むち打ち

「むち打ち」の正式名称は、「頚椎捻挫」「外傷性頚部症候群」です。むち打ちの特徴は、受傷直後には痛みや違和感を感じづらいことです。

しかし、時間が経過すると、頭痛・めまい・吐き気・耳鳴り・指のしびれ・首周辺の痛み・全身の倦怠感などが生じます。

むち打ちの治療は、湿布や消炎鎮痛薬を用いながら2〜4週間ほどコルセットで首を安静にします。

痛みがなくなってきた頃に、温熱療法や牽引治療・ストレッチなどのリハビリを開始するのが一般的です。むち打ちは、必要以上に安静にせず、早めに治療を行うことが効果的だと言われています。

交通事故に遭った時にすべきこと

交通事故に遭うと、何をしてよいか分からずパニックになることもあります。

ここからは、交通事故に遭った時にすべきことを1つずつお伝えします。

事故現場で警察に交通事故の届出をする

まずは、事故現場で警察に「交通事故の届出」をしましょう。

ここで警察に届け出をしていないと、保険金の申請で必要となる「交通事故証明書」を受け取れません。物損事故扱いにするのではなく、人身事故扱いにしてもらいましょう。

相手の身元情報を控える

次は、事故相手の身元情報を控えてください。

控えておくべき身元情報は以下の通りです。

氏名・住所・連絡先・車のナンバー・証明書番号・自賠責保険や自動車保険の会社名。

もし、近くに目撃者がいた場合は目撃者の連絡先を聞いておくと安心です。相手とトラブルになった際に、事故の証言をしてもらえるかもしれません。

事故現場の状況を記録する

交通事故から時間が経過すると、その時の記憶がどんどん薄れてしまいます。

あとで思い返せるように、事故現場の写真を撮ったり、どのような状況で事故が起こったのかを記録しておきましょう。

整形外科を受診する

交通事故に遭った場合は、整骨院ではなく整形外科を受診しましょう。整骨院では診断ができないため、診断書の発行ができません。

整形外科で、医師による診察や検査をすることで初めて、診断書を発行できます。

診断書は、交通事故による怪我かどうかを証明してくれる重要な書類になるため、しっかりと受け取るようにしてください。また、整形外科を受診しておくと、自分では気づかなかった症状に早く気づくことができます。

自分では気がつかなくても、命に関わる怪我が隠れているかもしれません。自分の命を守るためにも、まずは整形外科を受診しておくと安心です。

整骨院で交通事故の治療|医師の許可をもらう

整骨院で交通事故の治療を希望する場合は、医師の許可をもらいましょう。

医師の許可がない場合は、自賠責保険が対象にならないかもしれません。

一般的に、「治療として妥当な費用である」「怪我の治療に必要である」という条件に当てはまらない場合は、整骨院での治療は自己負担となります。

万が一、治療が自己負担になると、休業損害や治療期間に対する慰謝料が支払われなくなるので注意しましょう。

 

また、医師の許可が得られないと、自分で治療の必要性を合理的に説明する必要があります。

治療の必要性を自分で説明するのは、想像以上に大変な作業です。

トラブルを防ぐためにも、整形外科などの医療機関で医師の許可をもらうようにしましょう。

保険会社に連絡をする

医師の許可を得られたら、整骨院に通う前に、自分の保険会社と相手の保険会社に「自賠責保険を使用した治療をしたい」旨を伝えましょう。

保険会社に事前に連絡をしておくことで、保険金の給付がスムーズに行われます。

事後報告になってしまうと、整骨院での治療費の支払いが保険適用外になる場合があります。

「医師の許可が得られたから大丈夫」だと安心せずに、保険会社に連絡をすることを忘れないようにしましょう。

整形外科と整骨院を併用する

整骨院に通うことが決定しても、治療の必要性を明らかにするために定期的に整形外科に通うようにしましょう。

整形外科では、月に一度保険会社に診断書を提出しています。

整骨院では診断書が提出できないため、整形外科の通院をやめると保険会社に「治療の必要性がない」と判断されるかもしれません。

治療の必要性が認められないと、保険金を受け取ることができなくなってしまうのです。

「痛みが弱くなってきたから整形外科に行かなくてもいいや」と自己判断せず、月に1〜2回程度は整形外科を受診して医師に診断してもらいましょう。

注意点

最後に、交通事故治療の注意点をお伝えします。

整体院やカイロプラクティックの治療費は自己負担になる

整骨院ではなく、整体院やカイロプラクティックで治療を受ける場合の治療費は、基本的に自己負担となります。

整骨院には、国家資格を取得した柔道整復師がいます。

しかし、整体院やカイロプラクティックは国家資格がなくても開業することが可能です。

 

国家資格者である柔道整復師が治療をすると、保険会社からの治療費の支払いが認められやすいですが、整体院やカイロプラクティックでの治療は認められにくいです。

自己負担ゼロで自賠責保険を使用した治療を行いたい場合は、整形外科と整骨院を受診するようにしましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回は、交通事故で多い怪我と交通事故に遭った時にすべきことをご紹介しました。

 

交通事故に遭った場合は、今回の記事の内容を思い出すことで冷静に対応できるはずです。

正しい対応をしながら、ご自身の身体をケアしていきましょう、

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