膝の痛みがあると、日常生活を送るのが困難になりますよね。膝の痛みの原因は人それぞれです。
今回は、膝の痛みと症状、そのケア方法についてお伝えします。正しい知識でケアすることで、膝の痛みが軽減されるかもしれません。
ぜひ、最後までご覧ください。
膝の痛みの原因
変形性膝関節症
変形性膝関節症は、膝の関節の軟骨の質が低下し、少しずつすり減ることで痛みが生じる疾患です。
膝が痛くて階段を登れない・歩行時は痛みがないが正座ができないという方は、変形性膝関節症の初期症状かもしれません。
悪化すると、O脚が進んでいき歩行時にも痛みを生じます。
変形性膝関節症は、60代以降に発症する方が多く、日本の患者数は3,000万人以上いると言われています。
また、女性は男性よりも罹患率が2倍になるため注意が必要です。
半月板損傷
半月板損傷は、膝関節内にある半月板が欠けたり、亀裂が生じる状態です。
サッカーやバスケットボールなどの激しい運動をしていると生じやすいと言われています。
半月板は膝の外側と内側に1つずつ存在するため、損傷した部位が外側か内側かによって痛みが生じる場所が変化します。
また、悪化すると、膝に水が溜まり急に膝をうごかせなくなる「ロッキング」が生じます。
半月板損傷は、若年者から高齢者まで年齢関係なく発症し、慢性化すると変形性膝関節症を引き起こすリスクがあるため注意しましょう。
靭帯損傷
膝の靭帯は、前十字靭帯・後十字靭帯・内側側副靱帯・外側側副靱帯の4つあります。
交通事故や転倒などで膝に強い衝撃が生じると、靭帯を損傷してしまうかもしれません。膝をぶつけた際に、強い痛みと衝撃音があれば靭帯損傷を疑いましょう。
20代・30代で急に膝に痛みを生じたら、靭帯損傷の可能性が高いです。靭帯損傷は、レントゲンを撮っても異常が見られません。
そのため、膝関節捻挫と誤診される可能性があります。
「異常なし」と言われても痛みが続く場合は、MRIを撮ったり診察でご自身の症状をしっかりと伝えるようにしましょう。
ランナー膝
ランナー膝は、ランニングによって生じる膝関節周辺のスポーツ障害の総称で、別名「腸脛靱帯炎」と呼ばれます。
その名の通り、マラソンなどの長距離ランナーに生じやすいのが特徴です。膝の屈伸を繰り返すことで、骨と腸脛靱帯の間に摩擦が生じ炎症が起こります。
長距離ランナーの他にも、バスケットボール・自転車・水泳・バレエ・エアロビクスなど膝を駆使する運動をしている方に発症しやすいです。
ジャンパー膝
ジャンパー膝は、ジャンプや急なダッシュなどを繰り返すことで生じる炎症です。
別名は「膝蓋腱炎」と呼ばれ、バレーボールやバスケットボールをしている人に多く見られます。
ジャンパー膝の特徴は、膝の前面の痛みと熱感があることです。
10代〜20代の男性によく見られる疾患となっています。
関節リウマチ
関節リウマチは、免疫の異常により関節が炎症を起こし、腫れや激しい痛みを伴う疾患です。
関節リウマチの主な症状は、「朝のこわばり」「関節の腫れや痛み」「微熱・食欲不振・倦怠感」となっています。
手足の関節に起こりやすく、左右の関節に同時に生じるのが特徴です。30代〜50代の方に多く発症し、男性よりも女性の方が罹患率が高いと言われています。
また、60代以降に発症する方も稀ではありません。
痛風
痛風とは、尿酸の結晶が関節に沈着することで、腫れと激痛を起こす疾患です。
前日まで全く痛みがないのにもかかわらず、ある日突然痛みが生じるのが特徴です。
1〜2週間ほどで痛みはおさまりますが、痛風の原因である「高尿酸血症」を放置しておくと再び痛みを生じます。
膝の他にも、足の親指・足の甲・足首・手首・肘にも症状が現れやすいです。
ビールをよく飲む方・プリン体を多く含む食品を摂取している方は、痛風になりやすいため注意しましょう。
エコノミークラス症候群
食事や水分をとらずに長時間同じ姿勢でいると、足の血流が低下し血栓が生じます。
長時間のフライトで生じやすいため、「エコノミークラス症候群」と呼ばれています。
足がむくみ、膝裏に痛みが生じた場合はエコノミークラス症候群を疑いましょう。
飛行機の他にも、新幹線や高速バスをよく利用したり、デスクワークで足を動かさない方は注意が必要です。
ケア方法
ここからは、膝の痛みのケア方法をお伝えします。
・薬物治療
・注射
・電気治療
・筋肉トレーニング
・ストレッチ
・ツボ押し
1つずつ見ていきましょう。
薬物治療
膝の痛みがある場合は、鎮痛効果のある薬を処方されます。
薬により痛みは軽減されますが、長期間使用していると副作用のリスクが上がると言われています。医師と相談しながら、適正量を使用していきましょう。
関節リウマチの場合は、非ステロイド性抗炎症薬・抗リウマチ薬・副腎皮質ステロイドなどが処方されます。
また、エコノミークラス症候群の場合は、血栓を溶かす薬を用いて治療していきます。
注射
軟骨を保護する働きがある「ヒアルロン酸」や鎮痛・抗炎症作用のある「ステロイド」が用いられます。
特に変形性膝関節症・半月板損傷・関節リウマチの方に、ヒアルロン酸を用いられることが多いです。ヒアルロン酸により関節の滑りを良くして、痛みを軽減する効果が期待できます。
電気治療(低周波治療)
電気治療は、その名の通り電気を用いて治療をしていきます。
電気治療の一つである「低周波治療」は、1〜1,200Hzの弱い電流を使って痛みや筋肉をほぐします。
電気治療は整骨院で受けることができるため、気になる方は整骨院に問い合わせてみましょう。
電気治療を行うことで、膝周りの血行が促進され、筋肉の緊張や痛みが和らぐはずです。
筋肉トレーニング
筋力不足の状態だと、膝へ余計な負担がかかりやすくなります。
足に筋肉をつけることで膝を守ることに繋がり、膝の痛みのリスクが軽減するでしょう。
筋肉トレーニングは、変形性膝関節症・半月板損傷・ランナー膝・ジャンパー膝の方におすすめな方法です。
ストレッチ
ストレッチをすることで、膝周りの筋肉をほぐすことができます。
今回は、膝を曲げると痛みが出る場合におすすめなストレッチ方法をご紹介します。
〈膝の外側の痛みを軽減する方法〉
①両足を伸ばして座ります
②この状態で、つま先をゆっくりを奥に伸ばします
③つま先をゆっくりと手前に傾けます
②〜③を10回程度繰り返しましょう。
〈膝の内側の痛みを軽減する方法〉
①壁に右手をついて立ちます
②この状態で左足を曲げて、左手で足を持ちます
③つま先を体に寄せながら、ゆっくりと太ももを伸ばします
④深呼吸をしながら30秒伸ばしましょう
⑤反対側も同様に行います
左右を1セットとして3回繰り返しましょう。
途中で強い痛みが出た場合は、すぐにストレッチを中止してください。
ストレッチは痛みが出ない範囲で、ゆっくりと行うことが大切です。
ツボ押し
ツボ押しをすることで血流が促進され、痛みを和らげる効果が期待できます。
今回は、膝の痛みに効くツボをご紹介します。
じんわりと心地よい痛みを感じながら押していきましょう。
梁丘
・膝のお皿の外側にある骨から、太ももに向かって指3本分のところにあります。
委中
・膝裏の真ん中にあるツボです。
内膝眼・外膝眼
・膝のお皿のすぐ下にある内側と外側のくぼみです。内側にあるのが内膝眼で、外側にあるのが外膝眼です。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、膝の痛みと症状、そのケア方法についてお伝えしました。
一概に膝の痛みといっても、その原因はさまざまです。
膝の痛みをご自身でケアしてもなかなか改善しない場合は一度専門家に相談し、原因を明確にした上で根本的に解決する必要があります。膝の痛みで悩んでいる場合は整骨院へ相談してみましょう。