東洋医学と西洋医学の違い・考え方

未分類

東洋医学と西洋医学について、違いや考え方をご存知でしょうか。どのような治療を目的とするのか知ることで、適切な処置を取り入れることができます。

また、東洋医学と西洋医学について知ることで身体への向き合い方が変わります。

この記事では、東洋医学と西洋医学の考え方の違いについて解説します。

体の内側にアプローチする東洋医学と、早期の改善が期待できる西洋医学について正しい知識を身につけておきましょう。

東洋医学と西洋医学の歴史

日本に先に伝わったのは「東洋医学」です。

東洋医学の歴史は長く、約2000年前に中国で生まれた医学、中国から韓国、そして日本へ伝わり発展しました。

一方、現在ほとんどの先進国で主流となっている西洋医学は、ルネサンス時代以降に行われた人体の解剖がきっかけとなり伝わりました。

体の内側にアプローチする東洋医学とは異なり、西洋医学は投薬や手術など外科的な治療を行います。

明治期に遡ると、日本が西洋医学を取り入れるようになったきっかけが分かります。

明治期に、政府は「西洋医学を学び、試験に合格した者のみ医師としての開業を許可する」という政策を打ち出しました。

噛み砕くと、医師として開業するためには西洋医学を学ぶ必要があるというわけです。ここから日本には西洋医学が伝わり、現代の先進医療が受けられるようになっています。

東洋医学と西洋医学の考え方|長所と短所

東洋医学と西洋医学は、考え方が根本的に異なります。

  • 東洋医学|なぜ、症状が現れたのか?根本の原因を探る
  • 西洋医学|改善に必要な治療は何かを考える

東洋医学、西洋医学と聞くと解釈が難しくなると思いますが、根本の違いは「症状の原因を探る東洋医学」と「改善に必要な治療を考える西洋医学」と考えてください。

東洋医学の考え方

東洋医学は、症状が現れた根本の原因を探ります。

そして、根本の原因を解消することで「自然治癒」を重視します。また、東洋医学には「未病」という考え方があります。

  • 健康|何も不調を感じることなく快適に過ごせる状態
  • 未病|病院に行くほどではないけど不快な症状がある状態
  • 病気|病名がつく状態

東洋医学では、病気の予防のための治療も重要と考えています。例えば「不眠」で考えると、早期に受診は考えませんが、東洋医学では「未病」になります。

そこで、必要になるのが体内へのアプローチです。生活の中で取り入れられる改善法を取り入れることで、不眠によるさらなる影響を予防します。

東洋医学は病名がつく状態でなくても、病気の予防ができると考えておきましょう。

西洋医学の考え方

西洋医学は、発症した症状に対して投薬や手術などで治療を行います。日本もすでに西洋医学が主流となっているので、治療法は理解しやすいと思います。

風邪と診断を受けると、多くの医師は投薬治療を行います。骨折した場合は、レントゲンを撮ります。そしてギプスなどで固定します。癌などの治療は手術、投薬などで治療を行います。

西洋医学は、普段病院にかかったときに当たり前と感じる治療法をおこないます。

東洋医学と西洋医学の長所と短所

東洋医学も西洋医学も、どちらが良くてどちらが悪いということはありません。

ただ、考え方の違いから得意、不得意があります。

東洋医学と西洋医学の違いを理解すると、症状に合わせてどちらが有効なのか考えられるようになるので、それぞれの長所と短所についても見ていきましょう。

長所 短所
東洋医学
  • 1500年の歴史があり、経験医学の上に成り立っている
  • 自然治癒力を引き出すことで根本改善ができる
  • 漢方薬は安全性が高い
  • 自律神経や内分泌系の機能改善ができる
  • 外科的な対処が不得意
  • 救急救命には対応できない
  • 機械を使った検査が行えない
  • 治療期間が長い
西洋医学
  • 外科的な対処が得意
  • 救急救命が得意
  • 詳細な検査ができる
  • 即効性のある治療を行える
  • 科学的な根拠に基づいた診療・治療を行える
  • 先進的な技術を用いた高精度な診断・治療が可能
  • 病気の原因がわかりにくい
  • 受診が大変で連携しづらい
  • 根本治療が難しい
  • 対症療法が多い
  • 薬を長期的に服用が必要になる
  • 体質はあまり考慮されない
  • 歴史が浅い
  • 副作用による影響がある

 

東洋医学と西洋医学の資格

東洋医学と西洋医学は、どちらも国が定める資格の取得が必要です。

  • 東洋医学|東洋医学系国家資格
  • 西洋医学|医師国家資格

また、東洋医学では漢方薬を用いた治療をおこないます。投薬治療になりますが、漢方を用いた治療は東洋医学の一つになります。

東洋医学とされるもの

東洋医学とされるものは「鍼灸師」「柔道整復師」「あん摩マッサージ指圧師」の3つあります。

  • 鍼灸治療|鍼(はり)と(きゅう)を用いて、病気の予防や症状の改善を行う
  • 手技治療|手を用いて体表やツボを刺激し体のバランスを整える治療法
  • あん摩マッサージ|手指で体を推したり揉んだりして病気の予防や体のこりを改善する

鍼灸師の行う鍼治療は、症状に応じて2,000以上のツボを刺激し、体内の内側にアプローチします。手技治療を行うのは、柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師の資格所有者です。

整骨院や接骨院で行える施術で、骨折や脱臼、捻挫や打撲などの損傷を治療します。あん摩マッサージ指圧師は、手指や手掌で体表に圧を加え、損傷の治療を行います。

慢性的な痛みを軽減してくれるので身体の不快な症状改善が得意です。

漢方薬治療

東洋医学の一つで、漢方薬を用いて行う治療法があります。漢方薬を患者に処方する場合は、西洋医学同様に医師免許が必要です。

漢方薬のもとになるのは「生薬」で、葉や木、動物や鉱物など自然に存在しているものを組み合わせて処方します。

漢方の効果から体内のバランスを整える作用が働きかけるのですが、化学合成された薬と比較すると即効性はありません。

ただ、飲み続けることによるリスクが低く、一人ひとりに必要な漢方薬を処方できるのが特徴になります。

東洋医学と西洋医学の違いを整体とカイロプラクティックから見る

カイロプラクティックと整体は何が違うのでしょうか。

カイロプラクティックと整体も、考え方の違いがあります。

  • カイロプラクティック|西洋医学を基礎としたアメリカ発祥の手技療法
  • 整体|東洋医学を基礎とした日本や中国由来の手技療法

 

カイロプラクティックは、骨や筋肉、神経の損傷をどのように施術し、治療するかを考えて施術します。

しかし、西洋医学の一つだったカイロプラクティックは近年「未病」を考える東洋医学とも考えられています。

実際に病院にかかって治らなかった場合に、カイロプラクティックを利用するケースが増えています。つまり、病気ではなく未病の状態でもカイロプラクティックは有効な治療ができるのです。

また、最近WHO(世界保健機構)はカイロプラクティックが先進諸国において漢方や鍼灸と同じく代替医療と認定されています。

これまでは、東洋医学の一つ「整体」と西洋医学の一つ「カイロプラクティック」は考え方が違うとされていましたが、位置付けは変わってきていることも理解しておきましょう。

まとめ

東洋医学は、症状の原因を重視することで今後の健康を考え、食生活や生活習慣の改善を考えます。その結果、これからの健康を身体で守れる自然治癒力を高めることができます。一方、西洋医学は発症している症状を投薬や手術で早期に解消します。

不快な症状を早期に改善することで快適な生活を取り戻すことができますが、新たな病気の発症のリスクは高いです。

いま、必要な治療を優先することはもちろんですが、体内にアプローチする東洋医学の考えを理解することで、日々の習慣を見直すことは健康維持には欠かせないと考えておきましょう。

 

タイトルとURLをコピーしました